JACTIM広報委員会

突撃レポート ~ 「KOSHIDAKA MALAYSIA SDN. BHD.」 座間様~

JACTIM機関誌「会報」や「会報デジタル版」では、JACTIM活動の報告や役立つ情報を満載しています。その連載記事の一つである“突撃インタビュー”では、当地域の様々なトレンドを紹介すべく、JACTIM広報委員が話題の人物や会社を訪れて取材を行っています。

今号の突撃レポートは、日本でもおなじみのカラオケ「まねきねこ」を展開するKOSHIDAKA HOLDINGSのマレーシア法人、KOSHIDAKA MALAYSIA SDN. BHD.の座間マネージングダイレクター様にお話を伺いました。

特にコロナ禍でのビジネス展開上の苦心された点や克服された点等はお客様を豊かな余暇生活の実現と希望にあふれた平和な世界の構築に貢献されるという企業理念を体現されたお話を伺うことが出来ました。以下、ご報告します。

~オンラインミーティング中の様子
座間マネージングダイレクター

1. 自己紹介と御社の紹介をお願いします。

KOSHIDAKA HOLDINGSは日本における「カラオケまねきねこ」、「ひとりカラオケ専門店ワンカラ」、温泉施設「まねきの湯」等を展開するアミューズメント会社です。海外統括を担当しており、シンガポールのアジア統括拠点をマレーシアに移し、私もこちらに異動してきました。
「カラオケまねきねこ」は海外4か国・マレーシアの他、韓国、タイ、インドネシアに展開しています。マレーシアは2018年進出し、現在はクアラルンプールに6店舗営業しています。主にファミリー向けの仕様でサービスを提供しています。

2. コロナ禍はパンデミックからエンデミックへの移行段階に入りました。今現在の率直なお気持ちをお聞かせ下さい。

新型コロナウイルスのパンデミックは、とにかく相当な苦しみを味わいました。企業として生き残ること自体が大変だった状態でした。エンデミックへの移行段階に入り、漸く前向きに歩み始めたところ、というのが率直な気持ちです。
パンデミックでカラオケ業界自体が厳しい逆風を受けました。海外では全く営業ができない状況でした。マレーシアでもパンデミックの2年間のうち、1年半は営業できず、お店を開けたり閉めたりしながら営業した期間が累計で6か月程度ですが、政府からの規制が厳しかったので、まともに営業できませんでした。

3. 可能であれば、コロナ前と以降、現在とセールス状況がどの程度変化したのかお聞かせください。

過去、営業利益がゼロというのは経験したことはありませんでした。しかし、パンデミックの1年半は本当に売上がゼロでした。残りの6か月も50~60%の営業状況でした。

4. 活動制限令下において、営業時間や出社制限などを遵守する必要がありました。ローカル社員、当時のスタッフの皆さんはどのような様子だったのでしょうか?

開店できない状況が続き、スタッフは皆不安な様子でした。ローカルスタッフはコロナ前には100名近くおりましたが、そのモチベーションを維持せねばならなかったことが特に大変でした。コロナ禍で会社を去っていく社員が後を絶たちませんでしたし、シンガポールの店舗を閉鎖したのですが、閉鎖までの期間に、200名近くいたスタッフが、ゼロになりました。そうしたことが、また更にスタッフが不安を募らせることになりました。
会社として、スタッフに未来予想図を示せなかったこともあり、余計にスタッフは不安に感じていたと思います。

~オンラインミーティング中の様子
左:座間MD
右上:山本委員
右中:伊田委員
右下:田邉委員

5. 2年を超えるコロナ禍の中で、様々なご苦労があったかと思います。どのようなご苦労を経験されましたか(されていますか)?

大きな苦労は2点ありました。1つめは従業員です。結果として、優秀な従業員が残ってくれましたが、当面コロナがどうなるわからない中で彼らのモチベーション管理に苦労しました。2つめはキャッシュフローです。開店できなくとも、家賃や社員給料といった固定費はかかります。パンデミックで売上が無い状況ですから、とにかく家賃をオーナーに交渉するしかありませんでした。

6. また、その困難をどうやって乗り越えましたか(乗り越えていますか)?他の会員企業の皆様へアドバイスが有ればご教示ください。

モチベーション管理と言っても先の見えないトンネルの中で、先を示しながら大丈夫と言い続けるしかなかったです。会社に対するロイヤリティが高い人とそうでない人を見極め、コミュニケーションをしっかり取って、良い人材を残すことにしました。
キャッシュフローは何度もオーナーと交渉し、窮状を訴え、コロナ後を見据えてモールへの貢献を訴え続けました。ほとんどのケースで家賃はディスカウントして頂くことができました。また、パンデミックの間にカラオケの業界団体が組織されましたので、政府に陳情を行ったりして乗り越えることができました。
アドバイスではありませんが、従業員や取引先に対して真摯に向き合うことが大事だと感じました。従業員との対話の時間を多く取り、オーナーとも直接お話しに行きました。人対人の対話をすることで、お互い感情を共有することが大事だと感じました。

7. 新種ウイルスへの変異の可能性等も含めますと、コロナ禍から完全に脱却することは難しいのかもしれません。今後のWithコロナの環境において、注意・注目している事は何でしょうか?

エンデミックへの移行段階に入り、人々の生活様式が変化すると言われていますが、カラオケ業界への影響は正直わかりません。以前は基本的に、夜、会社関係の会合での利用が主流でしたが、コロナ禍となって以降は、夜の外出を控えている人が多いように感じます。夜の業態がまだ元には戻っていないと感じています。そうした意味で、短期的には「生活習慣の変化」に注目しています。
長期的には、歌を歌うことで飛んでしまう飛沫等に何かしらの対応が必要と感じています。例えばそもそもカラオケルームの利用用途を変えてしまう考え方も必要かと思います。歌を歌わずにカラオケルームをマルチにご利用頂く考え方も必要と感じています。ライブビューイングやアニメ関連の利用等、「カラオケ以外のアプローチ」に注目しています。

8. 日本とマレーシアでは、お客様の要望や御社のセールス戦略など、どのような違いがありますか?

日本はエリアによってお客様の属性が異なりますが、マレーシアは人種が多様で、所得格差が激しく、お金の使い方も全く異なります。お部屋、フード(ノンポーク)、ドリンクをお客様の多様性にどう応えていくかが課題です。実際、マレーシアの戦略は、海外全般に言えることでもありますが、大部屋の方が受けがよい傾向にあります。家族3世代が集まるような古い日本のような楽しみ方をされます。親御さんとお子さん型が一緒に楽しめる部屋の設置、アニメソングの充実、日本食のご提供等、様々なお客様が楽しめるようにしています。これからは日本をもっと打ち出そうと考えています。
マレー系のお客様も多く、5月の1週目のハリラヤはマレー系のご家族がたくさんお越し頂きました。インドネシアも同じ傾向にありますが、パンデミックの期間が長かったので多くのお客様が発散したかったのではと思いました。素直に嬉しかったです。

9.  一人カラオケについて教えて下さい。

日本で「One カラ」という一人カラオケ専門店を出店しています。一人カラオケはもともとまねきねこからスタートしたものです。以前は、歌手がレコーディングするような設備を備えた施設を作った店舗を展開しました。一時期10数店舗あったのですが、コストが非常にかかり、ビジネス的に難しかったため、今は減ってしまいました。現在は普通のカラオケ機を1人で利用して頂くというパッケージに転換しています。
海外でもカラオケを一人で利用するお客様は結構多いです。人前で歌う前に練習しようということなのか、ふらっと来て歌っていらっしゃいます。ただ、どこまで一人向けのサービスをするのか判断が難しいです。一人用の部屋はビジネス的に旨味は無く、当面は今あるインフラで一人利用が可能なパッケージを提供していくというのが良いと考えています。

10.  店舗拡大の予定を教えてください。

今年中に2桁までクアラルンプール市内に展開したいと考えています。クアラルンプールをドミナントとし、3年程度で20~30店舗まで拡大させてから、ペナンやジョホールに展開したいと考えています。

11.  VIPルームに関心があります。大人数が入れる部屋でどんな楽しみ方があるのでしょうか。

VIPルームは大人向けです。ビリヤード台が部屋の中に置いてありますが、今後はダーツも置こうと考えています。ライティングも本格的で、180度モニターを設置し、スポットライトがあります。日本は縦社会なので上司が歌っていたら聞いているものですが、海外のお客様は自由に楽しまれます。上司が歌っている横でビリヤードをされたりしています。キッズルームは親御様とお子様が一緒に楽しめます。部屋の中に滑り台や粘土やパズルが置いてあり、お子様は目の届くところで遊んでいて、お父様とお母様は歌うという楽しみ方ができます。

12.  押しのメニュー、キャンペーンやプロモーションなどが有りましたら、ご教示ください。

法人向けのパッケージ、サービスを提供したいと考えています。シンガポールで提供していたのですが、例えば、会議を開催し、その後パーティといったビジネス利用のニーズは多く、法人の求めに応じて個別にカスタマイズできるサービスを実施していました。会議プラス食事となると、高級にホテルで食事をするか、或いは効率的に会議室で食事を済ませるかになってきます。私どもはその間の真ん中あたりを狙っていきたいと考えています。

13.  最後に、読者の皆様へメッセージがありましたらお願いします。

現在は、お客様の95%以上がローカルのお客様が中心となっています。今後店舗を増やしていくのでぜひ日本人の皆様にもご来店頂きたいと思います。先に申しました通り、店舗のインフラの活用も検討したいと考えています。例えば、シンガポールでは日本の自治体と協力して日本の地方の紹介や物販を行ったり、それに合わせてフードメニューも地域特性を生かしたメニューを加えたりといったコラボレーションをしていました。日本の地方自治体、静岡県や神奈川県と組んで、店舗の中で地域を紹介するポスターを貼り、地域のお土産を物販し、地方の特産品を生かしたフードメニューも提供しました。発信拠点とするイメージです。
今後クアラルンプール市内で10店舗以上展開しましたら、インフラを活用したビジネスコラボレーションも実施したいと思いますので、そうしたご希望があればお知らせ下さい。

広報委員会編集委員

山本 有里 / 全日空
田邉 尚子 / 三菱商事
伊田 悠介 / MSIGマレーシア