JACTIM広報委員会

突撃レポート ~Plus PM Consultant~

JACTIM機関誌「会報」や「会報デジタル版」では、JACTIM活動の報告や役立つ情報を満載しています。その連載記事の一つである“突撃インタビュー”では、当地域の様々なトレンドを紹介すべく、JACTIM広報委員が話題の人物や会社を訪れて取材を行っています。

マレーシアにおいて建設工事に係るプロジェクトマネジメント・コンストラクションマネジメントを提供されています「Plus PM Consultant」様に、Webインタビュー会議形式で突撃取材しました!

右:森野Director、下段中:奥田Asst Marketing Manager

Plus PM Consult様は2013年よりマレーシアにおいて建設工事に係るプロジェクトマネジメント・コンストラクションマネジメントを提供しています。お客様がマレーシア・ASEANに建設投資をする際の、戦略立案やプロジェクト推進支援、工期の遅れや施工状況等の課題をマネジメントする事業を行っています。海外へ初めてビジネス進出する企業や、工場倉庫の移転・拡張をする企業にとってプロジェクトをスムーズに完遂させるための心強い存在です。今回は同社へこれまでの実績や日本とマレーシアの建設業界の違いや特徴をお聞きすることができました。

-マレーシア(アセアン)での実績を教えて下さい。
2013年に立上げ、事業開始し8年目を迎えました。日系企業の建設事業のサポート、現場管理を行っており、お客様の9割が日系企業です。最近はローカル、海外欧米企業のプロジェクトも手掛けていて、累計で60-70プロジェクトを実施しています。たとえば、Bukit BintangのLot 10のJ‘s GATEのリノベーションや日系大手食品メーカーの工場移転、日系大手デベロッパーがKL中心部で進めている大型ショッピングモールの現場管理等を支援させていただいています。

-マレーシア(アセアン)へ進出したきっかけ(経緯)を教えて下さい。
弊社代表の木村が日本のマーケットに限界を感じ、海外に目を向けたのがきっかけです。ASEAN市場がGDP成長率の伸張が著しく、進出を検討していた同時期に某大手小売メーカー様がASEANで展開するお手伝いをした事が一つのきっかけとなりました。その後、マレーシアでのお話を頂きマレーシア進出に繋がりました。

-御社ならではの強み(ローカル競合他社との違いなど)を教えてください。
日系企業がマレーシア及びASEANに進出する際にお手伝いしており、お客様の8-9割が日系企業です。マレーシアでどうやって建設プロジェクトを進めたら良いかわからない不安、法規・政府要請等の専門用語を日本語でサポートできることは、お客様に対し安心感を提供できていると思います。
また弊社は、設計会社でもなく、ゼネコンでもなく、利益相反の無い第三者性を確保しているプロジェクトマネジメントコンサルタント(PMC)です。ですから設計者やゼネコンに対し、徹底してお客様側に立ったご支援が可能です。競合となる日系企業のPMCはマレーシアにはいません。ローカルの競合はPMCというよりも設計会社になります。一方で、欧米系PMCは大手がたくさんいるので、日々サービスをカイゼンし、非日系企業へもマーケットを拡大していきたいと考えています。

左下:奥間委員、左上:山本委員、上中:田邉委員

-仕事を進める上で日本とマレーシア(アセアン)の違いや、それぞれのメリット・デメリットなどを教えて下さい。
日本とマレーシア・海外の違いは、「建設の文化」です。たとえば、日本はゼネコンの存在感が強く、そのサービスは至れり尽くせりで本当に素晴らしいと感じています。世界的に見ても日本のようなゼネコンはいないのではないでしょうか。日系ゼネコンは社内に設計部隊を持ち、お客様のプロジェクトをゼロからサポートし、設計施工でプロジェクトを獲得できる強みがあります。
しかし、海外では、ゼネコンへは施工のみを発注することが一般的です。また施工についても、発注者は利害が発生するゼネコンを信用しない文化の為、PMCもしくは設計会社を代理人として活用し、徹底的に確認・管理をしていきます。
日系のゼネコンは品質・スケジュール・安全管理がしっかりしています。しかし、その素晴らしいサービスを提供するための管理コストがその分高くなるため、お客様からは主にコストコントロールを求められます。一方で、マレーシアのローカルゼネコンのメリットは建設コストが安いという事です。その反面、日系ゼネコンと比べた場合、低品質、スケジュール遅延、追加請求、安全管理等のリスクをお客様が背負うことになり、そのリスクの回避をお客様から求められます。
日系ゼネコンとローカルゼネコンのメリット・デメリットを理解し、お客様の要望に応えるため、そのデメリットをいかに管理しリスクを最小限に抑えるか、メリットを最大限に活かしさらなる効果を生み出すためにどのようにマネジメントを行うか。この点において、弊社のサービスは、他社にはない価値の一つであると考えています。

-マレーシア(アセアン)ならではの、ユニークな事例などありましたら教えて下さい。
11月冒頭にセランゴール州で5千件以上の違法建築が見つかったと発表されました。事の発端は、工場用排水が違法に川に流され、大規模な断水が起きていたことによるものです。役所の調査により違法建築が5千件以上見つかるとは驚きました。日本企業の多くはコンプライアンス順守を重視します。しかしマレーシアの建築の法律を知らない、わからないような場合、設計者・施工者は違法だとわかっていても、施工者に「OK!OK!」と言われ進めてしまい、結果、違法建造物化してしまったのだと思います。マレーシアでは「大丈夫なこと」と「正しいこと(遵法する)」の文化(感覚)にまだまだギャップがあります。このギャップはマレーシア(ASEAN)ならではユニークな点であり、日本企業の力を発揮できる余地がたくさんあると感じます。
弊社の立場からどうしたらお客様のリスクを低減できるか考える余地がたくさんあります。10年以上経っている工場では勝手に増築、屋根の付け足し等をしている違法建造物が多く見かけます。既存の違法工場を購入してしまうと、違法建造物を違法でない遵法建造物に直さねばならないための余計なコストも時間もかかってしまいます。ぜひ購入前に専門家に相談して欲しいです。

WEB会議形式でのインタビュー風景

-現在及び今後のマレーシア建設事情をどのように考えているか教えて下さい。
日系企業のマレーシアに対する投資は2020年、新規投資が8~9割見送り・中止となり、激減しました。しかしながら、全くプロジェクトがなくなったわけではなく、新規は少ないものの、マレーシアに既に進出している企業が次の展開を検討されています。また、欧米企業の医療・医療機器系、電子電機系は積極的にマレーシアに展開しているので、そちらをターゲットに営業しています。建設投資は全体的に下がっているものの投資自体が無くなっているわけではありません。2021年の経済について、某銀行のマレーシアの見通しはGDP成長率7%程度と目論見を立てているところもあります。また、MIDAからも、2021年は投資が医療系・電子電機系を中心に新規投資が増加し、2019年の状況まで回復する見込みだと聞きました。マレーシア経済については、まだまだ注視していかないといけませんが、期待をもって営業活動を行っていこうと思っています。
またASEANでの動きについては、コロナ禍の影響をあまり受けず、今年随一の成長が見込まれるベトナムに注力したいと考えています。

-この仕事のやりがいや魅力は何だと思いますか?
日本でも同じですが、お客様のためになっているという実感を得られたときですね。日本と異なる建築事情の中で、お客様のために最善と思われる提案を行い、プロジェクトがうまくいったときに達成感が得られます。何より、お客様からありがとうと言われたときに喜びを感じます。

-今後、御社が目指しているところを教えてください。
経営理念でもありますが、ASEANナンバーワンのPM・CM会社を目指しています。

WEB会議形式でのインタビュー風景

-最後に、何かございますでしょうか?
海外の建設事情は日本と全く事情が違うため、建設プロジェクトにご不安等がありましたらぜひご相談下さい。弊社の事業は、常にお客様の事業発展のためにあります。コロナ禍ではありますがより良いサービスを提供し、お客様の事業に少しでもお役に立てればと思っております。

広報委員会編集委員

山本 有里(全日空)

田邉 尚子(三菱商事)

執筆: 奥間 詩乃(KDDIマレーシア)

<会報155号より抜粋>