JACTIM広報委員会
突撃レポート ~ 「SKYLARK MALAYSIA SDN. BHD.」西岡様、「PARKROYAL Hotels & Resorts」帆足様、 「DOKA SDN BHD」岡様 ~
JACTIM機関誌「会報」や「会報デジタル版」では、JACTIM活動の報告や役立つ情報を満載しています。その連載記事の一つである“突撃インタビュー”では、当地域の様々なトレンドを紹介すべく、JACTIM広報委員が話題の人物や会社を訪れて取材を行っています。
今回の突撃レポートでは、SKYLARK MALAYSIA SDN. BHD.の西岡マネージングダイレクター、PARKROYAL Hotels & Resortsの帆足セールスマネージャー、DOKA SDN BHDの岡アウトレットマネージャーの3名にインタビューを行いました。
長く続いているコロナ禍の環境において、特に飲食やホテルに関わる皆様がこの困難を乗り越えるためにどのような取り組みを行っているのか(行ってきたのか)、生のお声を会員の皆様へお届けすべく、オンラインミーティングの形でインタビューを行い広報委員からの質問にお答えいただきました!
(※インタビュー内容は、2021年11月5日時点のものです。)


~オンラインミーティング中の様子~
左上:帆足セールスマネージャー
右上:岡アウトレットマネージャー
左下:岡本編集委員
右下:西岡マネージングダイレクター
1. 皆様の自己紹介とお店の紹介をお願いします。
西岡様:SKYLARK MALAYSIAの西岡です。2019年に、子供2人と猫3匹と一緒に、マレーシアへやって来ました。趣味は日本ではバイクに乗っていましたが、バイクを売ってこちらに来てしまったので今は乗っていません。仕事を兼ねて食べ歩きとお酒を飲むことが趣味となっています。
また、サンウェィヴェロシティとサンウェイピラミッドで、しゃぶ葉(SHABU-YO)2店舗を運営しています。
日本にも270店舗くらいありますが、日本と同等もしくはそれ以上の品質やサービスの提供が出来ていると自負しています。是非一度お越しください。
帆足様:PARKROYAL Hotels & Resortsの帆足です。2012年からマレーシアに来ています。パークロイヤルホテルはマレーシアに現在3店舗(クアラルンプール 2店舗のうち1店舗は改装工事中、ペナンに1店舗)あります。来年の2022年度にはマラッカとペナンにもオープンし計5店舗となり、全て担当させていただいております。
岡様:DOKAの岡です。マレーシアに来たのは2020年の1月ですので、丁度1年10ヶ月になります。DOKAという会社は、主に日本の食材、和牛とお米、お酒をホテルやレストランへ卸しています。それと同時に飲食店も3店舗運営しています。一つ目が鈴木商店です。こちらはパブリカとKLCCの伊勢丹にあります。パブリカのお店に関してはお酒と焼酎とお米の小売店と日本酒バーを併設したお店になっています。二つ目が和牛レストランという焼肉のお店です。3つ目が鈴木飯店という中華料理のお店です。私は基本的には日本酒の輸入や政府へのライセンスの登録と鈴木商店のマネージャーを担っています。
2. 未だ楽観視は出来ない状況ですが、ロックダウンから少しずつ規制が緩和されてきました。今現在の率直なお気持ちをお聞かせ下さい。
西岡様:今の状況ですとようやく光が見えて来て、ほっとしているのが正直なところです。しかしながら、ご承知の通り飲食店の規制がまだまだ厳しい状況なため、感染拡大防止がもちろん最優先ですが、更なる規制緩和を望んでいます。
帆足様:ここに来てお客様が一気に増えました。特に観光地にあるパークロイヤルペナンリゾートが顕著で、ほぼ毎日ペナン一帯の全てのホテルの稼働率が100%近くになるほどです。感染拡大防止を第一に、ホテルとしても最新の注意を払ったうえで対策を取っていますが、急激な客足増加に対して嬉しい反面、個人的には少々複雑な気持ちでもあります。
岡様:やはり店内で日本酒を飲んでお客様が笑顔で会話している場面を見た時に、本当にホッとするというのが率直な感想です。その一方で、先ほども帆足様が感じた様に、一気に人々が外に出て来たという状況になっていますので、その中でも SOP の遵守というのは確実に継続していこうと思っています。
3. コロナ発生以降、セールス状況は刻々と変動していると思います。直近のセールス状況から最近のロックダウンの緩和後に、セールス状況がどのくらい変化したのかお聞かせ下さい。またお客様の来店状況の変化なども教えて頂けますか。
西岡様:5月に店内飲食が禁止になった時点で、売上がわずか数%まで落ち込みました。しゃぶしゃぶ食べ放題という業態につき、デリバリーやテイクアウトとの相性が非常に悪く、売上ゼロの日があるほど大変厳しい日々でした。想定する売上に比べると先々週あたりから急激に戻ってきて7割を超えたかな、というところまで持ち直しました。現在飲食店の客席数は50%までしか使用を認められていないため、SOP が撤廃されない限りこれ以上の回復が難しいかなとも感じています。
帆足様:ホテルに関しては3月のロックダウン以降、政府からの指示内容の変更が多く発生した事もあり、3店舗のうちの2店舗をクローズしました。例えとしてペナンの数字が分かり易いのですが、去年の7月に再オープンした時の稼働率が310部屋ある中で1%にも届きませんでした。受け入れ可能なお客様がビジネス目的に限られたため、レジャー向けのお客様の受入れが全く出来ない状況でした。ようやく最近になって(州間移動が認められるようになって)からの稼働率は、毎日80%から90%を超えて来ています。今月と来月の数字に関しては、2019年度と同等レベルもしくはそれ以上の予想が出来ており、急激に戻ってきたなというところです。
岡様:レストランに関しては、デリバリーを行っていなかったため、レストランクローズのタイミングでの売上はほぼゼロでした。規制緩和に伴い、先月はコロナ直前と同等くらいに戻した状況です。
小売に関しては、お米と日本酒がメインの商材となります。お米は在宅される日本人の方が増えれば増えるほど売上が増加する傾向です。日本酒については、今までは中華系マレーシア人の方々はあまり家で日本酒を飲むという習慣がなかったようですが、ロックダウンの期間中に家で飲食された方も結構いらっしゃいまして、それに伴い2020年12月にはロックダウン前の2倍程度の売上になりました。中華系の方に日本酒を飲む習慣が広がったという事で、新規ニーズの発掘としてみたら良い面もあったということです。その一方で、日本人の方が日本へ帰国出来るようになってからはお米のセールスが落ちています。先月時点では、ロックダウン前の1.5倍程度というのが小売店の実績になります。


4. 長引くコロナ禍の中で、様々なご苦労があったかと思います。どのようなご苦労を経験されましたか?また活動制限令下において、営業活動や従業員の出社制限などを遵守する必要がありました。従業員のモチベーション維持や出社出来ない場合に何をやってもらうのか等、どのように対応されたのでしょうか。今回の規制緩和後に行っている工夫などあればお聞かせください。
西岡様:とにかく売上が数パーセントまで落ち込みましたので、まずはコスト削減する必要がありました。その中でも少しでも売上を伸ばすために、TwitterやFacebook、Instagram 等のSNS活用に力を入れておりました。しゃぶしゃぶをデリバリーやテイクアウトする事については色々試した結果、どうしても難しいという結論になり、売上拡大よりもコスト削減を優先することにしましたが、デリバリーの期間だけしゃぶしゃぶに代わるお弁当などの料理を開発し、販売しました。結果的には日本の唐揚げが一番人気でした。100個入りのメガ唐揚げやギガ唐揚げをやってみたら?などと冗談半分で作ったメニューでした(笑)。
デリバリーですが、当初は自社でのデリバリーを検討したものの、待機中の人件費などが嵩むためグラブフードやパンダフード等を利用せざるを得なかったのですが、その場合30%もの手数料が掛かってしまうため、自社でのデリバリー展開は見送りました。店内再開に向けて、それまではじっと我慢していたというのが正直なところです。
なお、営業出来ない期間中、従業員には休業手当を払って休んでもらいました。とにかく辞めさせることなく雇用は維持したかったですね。お金の面だけではなく、継続的なコミュニケーションを大切にしました。例えば誕生日にはケーキを送るなど、まめにやりました。家庭の事情で止む無く退職した従業員を除けば、結果的には一人も欠けることなく全員で再オープンを迎えることが出来ました。情緒的な部分へのフォローも効いたのかなと思っています。
帆足様:ホテル営業が出来なかった期間、ホテル全体でクロストレーニングを行いました。ホテルには多くの部署があります。オペレーション部門でも例えばハウスキーピングやフロントオフィス部分など色々あり、稼働していない環境下で他の部署についても学ぶということで、クロストレーニングを取り入れて勉強させていただきました。チェックイン、チェックアウトの簡単な手続きに関しても習得すると共に、私はセールスマネージャーですが、今では一人でハウスキーピングからベッドメイキングまで可能です(笑)。
出社に関しては、ホテル業がエッセンシャルサービスに後々該当した事も有り可能となりましたが、やはり制限はありましたので隔日や隔週、マネジメントによる休暇指示などで調整していました。パークロイヤルグループとしてはMCO期間中を逆に利用して人材育成に取り組んだ良い機会でした。今後の人材異動含めて、幅が広がったと思います。
岡様:まさに今直面している苦労なのですが、日本人の常連のお客様が減っているため、お店のメインターゲットを中華系マレーシア人に変えてく必要があります。そのためには、いかに日本酒を中華系のマレーシア人の方に飲んでいただけるか、その機会をどうやって提供するのかというのを考えています。例えばランチタイムに来店されたお客様へのお猪口一杯の日本酒無料サービスや、マレーシアでは少ない飲み比べセットを提供するなど取り組んでいます。その中で日本人とは違う好みの様なものが徐々に見えてきましたので、それに合わせて輸入するラインアップなどを考えたいと思っています。
デリバリーに関しては一切やりませんでした。やはりデリバリー手数料が30%掛かる事と、自社スタッフのリソースも考慮した結果見送りました。そのため期間中は飲食店をクローズしていました。
従業員の出社に関しては、小売事業の方でお米がエッセンシャルフードとして政府から認可されていたので、特に休むことなくオープンしていました。元々スタッフにはレストランと小売のどちらも従事してもらっていたので、小売の方で半分ずつ、ローテーション出社などで対応していました。
5. 厳しい環境を乗り越えるために、他の会員企業の皆様へ何かアドバイスが有ればお願いします。
西岡様:アドバイスというのはおこがましいですが、「24時間365日、何かあればいつでも連絡するように」ということを徹底しています。夜中でも構わないので、特に悪い情報ほど連絡するようにと伝えています。コロナ禍の環境において、従業員もストレスを感じていると思いますので、やはり風通しの良いコミュニケーションが密にできる組織づくりを意識しています。
また、例えばちょっとしたクレームを頂いたときに、私が“わざと大袈裟に”騒ぎ立てて、敢えて大きくした問題の早期解決をするトレーニングを抜き打ちで偶に行っています。頻発すると嫌がられますが(笑)、困難な状況下を打破することに役立つトレーニングだったと思います。


6. これからのWithコロナの環境において、今後ビジネスを行っていく中で注意・注目している事は何でしょうか?また注力していくことなどをお聞かせください。
西岡様:注目しているのはやはり SOP 規制関連になりますが、飲食関連としてはデリバリーの動向を注視しています。MCO期間中にお客様がデリバリーの便利さを知ったため、以前の様な店内で飲食には完全には戻らないだろうと思っていますので、気になるところです。また先ほども申し上げましたがデリバリー手数料ですね。手数料として30%を求められるようなビジネスがこのまま続いていくのかどうか。以前政府主体で手数料10数%での同様のサービス立上げ検討があったと記憶していますが、そうであれば価格競争の発生に伴い手数料も下がっていけばよいなと思っています。我々はショッピングモールに出店していますので、賃料を支払い、現状では更にデリバリー手数料30%を支払う事になります。本当に商売として続けていくべきなのかどうか、この先の動向に注目しています。
注力していく事としては、実店舗での空間でしか味わえない空気や従業員のサービスなどに力を入れていきたいと思っています。実店舗でのしゃぶしゃぶ食べ放題(好きなものを、好きなだけその場で食べられる)というのは私共のサービスの魅力です。これはデリバリーでは絶対に実現不可能なことです。この魅力を如何に高めていけるかというところに、更に注力していきたいと思います。
帆足様:ホテルに関してですが、SOPが未だ厳しい状況で、宴会を例にすると収容人数の50%しか受け入れることが出来ません。特にMCO期間中は宴会や会議など一切受けることが認められませんでした。しかしそのような状況だったからこそ、ホテルの飲食のレストランのデリバリー需要(ケータリング)が増えました。例えばペナンですと何千人レベルの大きな工場も多くあり、そこからデリバリーしてもらえないかといった需要が増加したという事実があります。従来は、お越し頂いたお客様に対してサービスを提供する立場だったため、ホテルとしては今までそこに注力していなかった(出来なかった)部分です。ケータリングを専門で取り扱っていませんでしたが、この様なサービスも出来るようになりました。未だ制限が残っている状況下で、お客様である企業側としてもインハウスでの食事会開催などを目的に、ケータリングを用意してくれないか?シェフ(ペナンにイタリア人シェフを雇用しています)を派遣してくれないか?というお問合わせや受注が非常に増えて来ました。今までは読めていなかったニーズの新規発見が出来たという事ですね。ホテル側としては新たに注目・注力しているところです。今までとは違い、自宅での安心安全な環境で食事等を楽しみたいという需要も見受けられますので、この需要はもう少し続くのかなと思っています。
岡様:マレーシアでの日本酒市場を如何に拡大していくか、という事に注力したいと思っています。MCO期間中に中華系マレーシア人の方に日本酒を飲んでいただく機会が増えまして、現地の中華系の方々の味覚に合わせて日本への輸入を変えたりしました。日本酒を初めて飲む方は華やかな香り、フルーティーでスッキリした味わいの純米吟醸・純米大吟醸を好まれますが、日本酒を飲み慣れてる方は米の甘味や旨味を感じる純米を好む傾向にあります。こちらでは日本酒を飲み慣れていない方が多いので、純米吟醸・純米大吟醸が人気ですね。とは言え、世界的に見てまだまだ日本酒の市場というのはマレーシアでも少ない状況です。鈴木商店が単体で動いたとしても、市場拡大は難しいところです。同業他社様のレストランや日本酒を卸している企業様や酒蔵様と一緒にお酒のイベントを開催し、マレーシアでの日本市場を拡大していきたいと思っています。そういった意味では今回御参加頂いてる西岡様、帆足様などと協力し、一企業というよりは業種、業界を越えてイベントを行っていけると良いですね。飲食店やホテル業界では、我々小売店以上に潜在的なお客様を既にお持ちですので、協力させていただきながら市場拡大に繋げていきたいと思います。
7. 押しのメニューやキャンペーン・プロモーションなど教えてください。
西岡様:オーストラリア和牛をお安く提供しており、お勧めとなっています。食べ放題で78.8リンギットからですので、他社様に比べても非常にリーズナブルな提供が出来ていると思います。ちなみに一番安いコースでは38.8リンギットとかなりお安く召し上がって頂けますので、是非ともご友人やご家族のだんらんの場としてご利用頂ければと思います。キャンペーンに関しては、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSからゲリラ的にお得な情報を配信していますので、是非フォローして下さい。
帆足様:プロモーションのお話をさせて頂きますと、例えばペナンであればペナン在住者向けのプロモーション、クアラルンプールのホテルであれば、クアラルンプール在住者向けのプランをご用意しています。クアラルンプールのホテルは1店舗だけクローズしていますが、そのホテルがパークロイヤルクアラルンプールでして、Lot10の隣に、来年の6月オープン予定です。マレーシアで初めてとなる緑(SDGs)をテーマとしたホテルとしてオープン予定です。続いてランカウイ、マラッカもオープン予定ですので、パークロイヤルだけと言わずホテル・観光業界全体を支えて頂けましたら大変有難いです。このような状況ではありますが、本当に皆様のお越しをお待ちしておりますので是非足を運んで頂けたらと思っています。
岡様:鈴木商店では有名な日本酒を取り扱っているその一方で、日本でもほとんどお目にかかれないような貴重な日本酒も取り揃えておりますので、是非お越しください。日本酒だけでも100種類以上取り揃えていますので、様々な種類の日本酒を楽しんで頂きたいですね。ちなみに提供しているお酒は、ローカルスタッフが全てテイスティングした上でご提供しています。他店様以上に深い知識を蓄えたスタッフが在籍していますので、是非足を運んでいただきたいと思います。


広報委員会編集委員
岡本 祥宏 (MSIG マレーシア)
<会報158号より抜粋>